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石山緑地薪能 あたら夜の月影 -覧古考新-

プログラム・
出演者紹介

日陰
狂言 道しるべ
出演:
  • 茂山 茂、茂山 逸平
  • 後見 井口 竜也
石翳
CLASSIC×NOH
feat.雅vol.1.5 -Miyabi-

4万年前、支笏火山の大規模な噴火により火砕流が流れ込み出来た札幌軟石のこの地に、
天地創造の神が舞い降り、また新たな石山伝説を作りあげます。
クラシック音楽と日本の伝統芸能「能」の新しい時代の幕開けを、目と耳で感じてください。

出演:
  • 謡・舞
    梅若 基徳
  • 斉藤 敦
  • 小鼓
    上田 敦史
  • 太鼓
    守家 由訓
  • 太鼓
    上田 慎也

Les pommes² (レ・ポムポム)
弦楽四重奏

  • 第一ヴァイオリン
    山本 聖子
  • ヴィオラ
    後藤 美和子
  • 第二ヴァイオリン
    瀧本 志保
  • チェロ
    藤田 淳子
火蔭
-鬼女の伝説-

「安達原」の老女が鬼になった理由、過去の悲しみや迷いを語りとともに再現します。
点々と灯される炎は彼女の心の焔とリンクしていきます。

語り:
  • 齊藤 信輔、松野 浩行
月影
安達原

奥州安達原に到った山伏の一行は、宿を借りようと一軒の庵を訪れます。
躊躇いつつ宿を貸した庵の老女は、一行の所望に応え営みである糸車を使います。やがて女は、薪を集めに出かけますが、決して寝室を覗かぬよう彼らに言い残し、山に消えてゆきます。しかし、つい出来心から寝室を覗く山伏一行の召使いたち。するとそこには、人間の屍骸が積み置かれていました…

出演:
  • シテ
    林 宗一郎
  • ワキ
    江崎 欽次朗
  • ワキツレ
    松本 義昭
  • アイ
    茂山 茂
  • 斉藤 敦
  • 小鼓
    上田 敦史
  • 大鼓
    守家 由訓
  • 太鼓
    上田 慎也
  • 後見
    梅若 基徳、
    松野 浩行、
    河村 浩太郎
  • 地謡
    浦田 保親、
    深野 貴彦、
    齊藤 信輔、
    樹下 千慧、
    梅若 雄一郎
  • 演出
    松野 浩行
    馬場 鏡丞
  • CLASSIC × NOH 演出
    梅若 基徳
  • メインビジュアル
    ヤマガミユキヒロ
  • 制作協力
    能楽大連吟
    一般財団法人 日本伝統芸術文化財団
    関西舞台芸術研究所
    株式会社IAM

舞台システム

映像投影システム

能は、想像の芸術です。見る人が舞や謡にインスピレーションを得て、能舞台を越えて、演じられている世界を空想しつつ楽しみます。古来、能を楽しんできた人々は、ストーリーも謡もほぼ理解し覚えて観ることが多かったようです。戦国武将たちの中には自ら舞を披露する人までいたそうです。しかしながら、現代の私たちにとって、場面の移り変わり、そして台詞、今の言葉ではない能の謡を読解しながら舞台を見ることは容易ではありません。ですので、皆さんの頭の中の空想のお手伝いを…映像として具現化し、ほんの少しだけ石や森の上に映し出してみようと思います。あとは皆さんの空想にバトンタッチ。そしてそれが触媒になり、さらなる想像が皆さんの頭の中で増幅されることを祈っております。

照明システム

その昔、能舞台が、薪や灯籠、蝋燭等の光のみで行われていたであろう大昔の舞台の照明を想像し、近年の舞台のように電気を使い全てが明るくよく見える、ということ自体を再検証してみようと考えました。見えすぎず、ともすると暗い、見えないことは想像を膨らませ、より、『見える』につながるのではないか? 能面の陰影がより現れ、登場人物の表情、感情表現の豊かさにつながるのではないか? 能では少し俯くことを『曇る』と言うそうです。この『曇る』をより美しく表現したい。明るくてはダメなのではないかと考えました。自然の中、暗がりの中、目を凝らし、舞を凝視する。すると目には見えない何かが、現れてくるかもしれません。

舞台

今回の舞台は、この石山緑地というアートを背景に日本が誇る伝統芸能を展開する、一夜限りの特別な舞台であります。
1000人の観客を動員し能舞台を作り上げる。企画はとても困難なものでした。そこで、この自然とその響きを最重要に考えることを主軸にすべきでは?と思いつきました。客席の後ろ側に山を配し、謡を受け止める。そして、この場所のビジュアルから受ける印象をそのままに階段を客席に見立てる。シテは夜の木々と共に舞い、謡いは石に染みていく、風も虫も、時には雨も、共に観客となってみんながこの自然の中に溶け込んでいく舞台となれば、と思っています。

石山緑地薪能では、ドイツd&b audiotechnik社のイマーシブ・音響システム「d&b Soundscape」を採用しております。元々石切場であった石山緑地は生の音でも、一見石などに反射をして音が響きそうなイメージがあります。しかし実際には屋外であり自然の音や岩の形によりかなり分散してしまいます。そのためスピーカーを設置して皆さんに音を届ける必要性が出てきます。ですが、それだけでは逆に反射を広げてしまい、不自然になる可能性があります。そこで世界各国において使用され始めているイマーシブ(没入感のある)の技術を用いて石山緑地という空間に合わせた、より生音に近い且つ自然な広がりのあるサウンドを作り上げます。観客席をぐるっと四方を囲う特殊なスピーカー設置で作り上げる唯一無二の音環境をご体感いただければと思います。システムの概要としては、今回使用する「d&b Soundscape」において「En-Scene」と「En-Space」の2つ機能があります。

「En-Scene」とは?

従来のLRシステムではスイートスポットはセンターに限られたエリアとなりますが、「d&b Soundscape」は全てのエリアがスイートスポットとなります。客席のどこにいても演奏者(演者)の立ち位置から演奏(声)を聴くことができるポジショニング機能です。

「En-Space」とは?

心地よい残響音が期待ができないスペースにコンサートホールのような残響音を提供する残響付加機能です。今回のような屋外では能楽堂やコンサートのような計算された残響音は期待できないため、客席の周りの360°にスピーカーを配置し「En-Space」を使用することによって心地よい残響空間を提供します。

古来、能を行っていた時代には音響がなく生音にて行っておりました。
その時代の感覚をどうのように再現しつつ、また、より新しい表現にトライできるか?日本では初となる、Soundscapeシステムでの伝統芸能の公演。皆さんが舞台鑑賞に没頭できる音空間作りをいたしますのでどうぞお楽しみください。

[各国使用例]

MJ The Musical@NYC

MJ The Musical@NYC

Sakanaction@JAPAN

Sakanaction@JAPAN

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