教文演劇フェスティバル

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EVENTKYOBUN THEATER FESTIVAL

短編演劇祭応募台本 あらすじ一覧

A
#さようなら ユウ・ウツ

高齢化が進む日本。高齢の親をめぐり子供達との繋がりや関係性がひと昔に比べ何となくギクシャクして多くの家庭で、それぞれ『憂鬱(ゆううつ)』の原因になっていると思われます。昔は、高齢者の数が少なく家庭でも地域でも人生の大先輩として敬われかつ大切にされてきました。日本人の平均寿命が世界一となった今、年寄り数が相当数にのぼり、家族や地域では疎ましい存在に思われたり、高齢者虐待と言う社会問題にも発展してきています。『年寄り嫌うな行く道じゃ 子供きらうな来た道じゃ』≪それぞれの世代が、お互いを知りあう事≫・・今 族族や地域に求められている課題として多くの皆さんに考えてもらいたく、この芝居を作成しました。

(※作品の中では、親思いの妹と親と仲たがいする姉の葛藤、そして この二人に対する談員の助言やなどが問題解決のヒントを導き出してくれます。「芝居」を通して、皆さんと考える機会が出来たら幸いです。)

B
幽と現のあいだ

藤本幽は夢を見た。幼いころの思い出だ。高校生の時にかっこつけの幼馴染・木村現に、大学を卒業したらこのオブジェの前でプロポーズをすると言われたが、結局彼は来なかった。幽は眠れない日が続いていたが、身体はまったく疲れていない。医者に行ってみると心臓が止まっていることが分かる。脳の活動も止まっている。なぜ動いたり喋ったりしているのかはわからない。どうやら幽は脳死しているらしい。幽は眠らずに働いた。ある日、何者かが幽を誘拐する。どうやらある企業の人間らしく、自分の社員を寝ずに働かせたいらしい。その企業はどんどん業績を伸ばした幕僚長・有田修は、我が国の将来を憂いていた。生産力も軍事力も落ちる一方であるが、昔の強い国に返り咲きたいという願望があるからだ。文句を言わず長時間働き、素直に言うことを聞く手駒が大量に欲しかった。そこに幽の噂をききつける。軍隊は積極的に感染し、我が国の生産力や軍事力は大きく伸びた。死を恐れない最強軍隊として、積極的に他国の紛争に介入していった。幕僚長自身は感染を避けた。あの世と(幽)とこの世(現)の間に生きる人間の労働ファンタジー。

C
レプリカント~大丈夫ダ!人形~

〈憂鬱な中年男の友愛をテーマにした大人のコメディ劇〉
会社をコロナリストラされた中年のサラリーマンが、婚約者にふられて、憂うつな毎日を過している。ある日、ススキノの交差点で、メイド服の客引きに誘惑され、「熟女バー・マーメイド」に入った。そこのママとその男の妙な友情愛がはじまる。そこでその男は「恋の成就人形」の「お札」を買わされ、「願」をかけると恋が成就すると言われ、その「お札}を買って、人形に貼りつける。そこに突然、訳アリの銀行強盗が侵入して来る。しかし、その銀行強盗男は実は女であり、意外な真実が明らかになる。そして、そこで、かつて女が捨てた息子への想いが芽える。

D
第3回 全日本もう帰りたい選手権(終)

昨今の情勢によりリモートワークを余儀なくされた女・藤原。
会社でチヤホヤされたいとか夢は寿退社とかいうちょっと前時代的な彼女が
まさかの「会社に帰りたい」思いを実現するために、「第3回全日本もう帰りたい選手権」に参加する。
藤原に憧れていた元同僚・安田や、ちょっとメカっぽい不思議青年・エクボといった
さまざまな「帰りたい」思いを持つ者たちと、それらを帰らせまいとする同調圧力を超えて、帰宅への道をひた走る。
帰りたいという思いも多様性の時代。あらゆる困難を超えて、自由を掴むため、時間も超えて走り、目指すは寿退社!
2001年宇宙の旅を超え、2015年第1回を超え、2016年第2回を超え、もう帰りたい感動の最終(さいしゅう)回!

E
優しい友人

インタビューをうけている女、アイ。彼女は問われるままに自身の生い立ちを語りだす。
転勤族の一人娘として生まれたアイは、幼い頃から転校を繰り返すうちに、「友達が何よりも大事」だと思うようになっていた。
中学生のとき、転校先で、親友となる男子・ユウと出会う。ユウとは、その後離れ離れになりながらも、アイなりに交友を深めていった。
大人になって再会したアイとユウ。二人の関係は傍から見れば歪なものだった。
ユウから一方的に搾取され、利用されているように見えるアイ。共に生活しておきながら、恋愛関係には発展しない。
しかし、彼女は幸せだった。何故なら彼女は「友達が何よりも大事」だから。
対して、ユウは不幸であった。アイに依存することによって、彼の生活は堕落していった。
肉体・精神共に追い詰められたユウは、自らの最期をもアイに託す。
全てを語り終えたアイ。今度は彼女が語りかける。
「あなたの話を聞かせてください。」

F
ディストピアの叛逆者

テーマは give you。
主人公のライは、スラム街に住む22歳。生きるために、そして自分が信じた仲間のために、日々富裕層が住む町に盗みに入っている。いつもならうまく盗めるはずなのに、ある日、名家であるアフランス家に盗みに入るも家主にばれ、つかみあいになってしまう。そして近くに置いてあった鈍器でライはついに家主を殺害。
すぐに警察にもばれ、逮捕され、国から裁判もなしに「死刑判決」を受けてしまう。
この国では健康体の死刑囚はドナー患者に臓器を提供しなければならない…この国にはそんな法律が存在する
ライは健康体であったため、国から臓器提供者への申請を促されるも納得がいかず隙を見て逃走。そして森の中を走り抜け、一つの屋敷へとたどり着く。
そこは少し古めかしくもしっかりと手入れのされた屋敷。そこでライは一人の少女と出会うことになる…

G
グ、リ、コ

舞台は近未来。新たな戦争に巻き込まれた、幼馴染みの男女。子供だった二人の毎日には楽しい「遊戯」しかなかった。しかし世界は「有事」になり「勇敢さ」や「雄々しさ」を持つことを迫られる。戦争で離ればなれになり、「憂鬱」を抱え傷ついた二人は、やっとの思いで再会する。しかしその時、戦火で負傷した男は女のことを忘れてしまっていた。本当の「勇気」とは何か。二人はもう一度、昔のように「遊」んで、綻んでしまった世界をなんとか「結おう」とする。一緒に空を見上げるまで…。「明日の私に降ってくるかもしれない不穏な未来」と「遠ざかるささやかな幸せ」。現代社会が世界的に抱える問題を、ファンタジックな世界観の中で生きる二人を通し、身近な出来事として描き出します。

H
あたしとあなた、とお前と貴様

走り続ける一人の男。その先に一目惚れしたあなたがいるから。
佇み続ける一人の男。ここはアナタとの思いでの所だから。
座り語る一人の男。ここなら貴女が見えるから。
三人は、彼女との思い出を語りつつ、過去と今を生きる。
一人の女性を巡る。巡らない男たちの話

I
らすと・さまー・でぃず

空は青く、とても晴れた日だ。
木々の木漏れ日から、一筋の光が溢れていた。
あの日、ひとりの女の子に恋をした。
これは、ぼくのひと夏の夢物語である。

J
ガガーリンになった女

人類初の有人宇宙飛行に成功したガガーリンを好きな女。好きなガガーリンのことを話しているうちに、ガガーリンが憑依してしまう。
憑依したガガーリンと女は、一つの身体のまま会話をし、恋愛し、札幌市内をсвидание(スリダーニャ・「デート」の意)する。一つの身体のまま手をつなぎ、ハグするが、キスだけはできない。
愛する妻のためにもсвидание(スリダーニャ)を思いとどまったガガーリンは、大倉山ジャンプ競技場、モエレ山、JRタワーを訪れるが、そこで悩み多き札幌市民の姿に絶句し、女にトモダチになりたいと伝える。

K
結(ユウ)

彼女は子供の頃から髪が長かった。
でもある日、その髪を短く切った。
そして、彼女は一人ぼっちになり、また髪を伸ばし始めた。
自分への戒めのように、誰かへの償いのように。その彼女の手には、歳不相応な少女趣味なヘアゴムが。
そして、そのヘアゴムは決して使われることはなかった。

そして彼女は大人になり、故郷に帰省することになった。そして……

これは、自らの手で断ち切った大切な何かを、再び、“結う”たった1日の夏の世の物語。